茅蜩・鼓粒は音楽のダイナミックな再生において重要である、強烈なインパルスを躊躇なくはね返すカウンターウエイトとして機能します。
見かけは小粒ですが特殊な構造により1個で4kgに相当するパワーを発揮します。
慣性力による仮想的な質量を利用しており従来のカウンターウエイトとは比較にならないほど小さく軽量です。
SPユニットのインパルス特性を良くするための手法としてカウンターウエイトを使う方法は昔からよく使われてきました。
理屈から見ても合理的な手法なので現在でも多くの機種で採用されていますが、Ge3的にはウエイトが軽すぎる様に思えます。
理想的なカウンターウエイトの重さは、10cmクラスの高性能ユニットの場合、必要なウエイトは11kg~12kgだと考えています。
しかし現実問題として12kgもの重さを10cmの小さなユニットに付けるとどうなるでしょう。
幾つかのユニットではフレームが曲がってしまうかも知れません。
この重さに耐える設計をすれば、コストUPは避けられず実用的ではないと判断されるのが落ちです。
SPユニットのフレームは適度な強度は必要ですが、意味のない強度を持つ必要はありません。
特にカーオーディオを考えると質量は走行性能の要なので、軽いことも重要です。
その為、慣性力を応用したカウンターウエイト茅蜩・鼓粒を開発しました。
激しいインパルス性の衝撃に対応して慣性力で重くなります。
平常時は66gの小さく軽いモノですが、瞬時には4kgもの慣性力を発揮します。
この鼓粒をカウンターウエイトが必要な場所に必要数だけ装着すれば、理想的なカウンターウエイトが完成することになります。
茅蜩・鼓粒を取り付けると、固定部を補強したかの様な反応を示します。
ショックアブソーバの初期制動も逃げる事無く、全域で設計値通りの減衰力を発揮します。
茅蜩・鼓粒1個は約4kgの真鍮製に相当する仮想質量です。
各ユニットが必要とする茅蜩・鼓粒の最適な個数は磁気回路の性能によって異なります。
殆どのツイータやスコーカは1個で十分です。
強力なユニットの場合は2個必要です。
ユニットの重量が180g以上の場合を目安にして、それ以上の場合は2個が良いでしょう。
ウーファーはコーン紙の直径を目安にしてください。
8cm 以下には 1個
16cm 2個
20cm 3個
30cm 4個
大体の個数は以上でOKですが、強力な磁気回路の場合は1個増してください。
不明な場合は、お問合せください。
茅蜩・鼓粒をSPユニットのマグネットやフレームに取り付けます。
音のエネルギーが集中し、それに抵抗出来そうな所が取り付け場所です。
取り付け時の方向は振動に対して直交するようにします。
つまりコーン紙の動きと平行にするのがポイントです。
一般に25cm以上のウーファーともなるとマグネットはかなり大きく重いモノがついています。
激しいインパルスの再生時に必要なカウンターウエイトだけでも、かなりの重さになります。
マグネットとカウンターウエイトの質量を同時に支えるのがフレームの役目なので取り付けにも最適ですが、
オリジナルのフレームだと強度不足しがちなのでフレームの補強も必要になります。
この補強を少しでも軽減するためには、茅蜩・鼓粒をマグネットの後ろよりもフレームに取り付ける方が良いかも知れません。
ショックアブソーバが車体に固定されている丈夫な所に取り付けるのが効果的です。
取り付ける方向は、ショックの方向と直交する様に取り付けて下さい。
「茅蜩・鼓粒」を取り付けると、固定部を大きな質量で補強したかの様な反応を示します。
ショックアブソーバの初期制動も逃げる事無く受け止め、設計値通りの減衰力を発揮します。
前後、全てのショックアブソーバーに取り付けるのが基本です。
マスダンパー効果が弱いと感じる場合は、駆動軸の鼓粒の数を増やすと効果的でっす。
3000cc以下 2個 / ショックアブソーバ1箇所に付き
6000cc未満 4個 / ショックアブソーバ1箇所に付き
6000cc以上 5個 / ショックアブソーバ1箇所に付き
※スポーツカーは上記数量の約1.5倍の個数が必要です。
※レース用のクルマには上記数量の約3倍をお勧めします。
※サスペンション形式により取付数量が変わります。
独立懸架型 上記通り。
リジット型 上記数量の2倍
「茅蜩・鼓粒」を取り付ける時のポイントは「ボディーの振動が伝わる所に確実に固定する」ことです。
「茅蜩・鼓粒」は振動を利用して仮想質量を作ります。取り付ける場所はフワフワした所でなくガッチリした丈夫な所である事が重要です。ショックアブソーバを車体に固定しているサブフレームなどは強度もあり路面からの振動が直接伝わる場所なので最適です。
「ショックアブソーバのゴムブッシュはどうか?」との質問がよく有りますが、ゴムの上は、振動が曖昧に伝わるので効果が発揮できません。
振動が良く伝わる事と振動で揺れることは違います。
「茅蜩・鼓粒」の固定にはテープ等は使わないでください。「鼓粒」には想像以上のショックが伝わります。テープ等では切れて「鼓粒」が何処かに飛んで行ってしまい、他の故障の原因になってしまいます。
太い目のタイラップや針金で確実に取り付けて下さい。エポキシ系の接着剤を使用してください。
強度を良く確認して、不安な取り付けはお止め下さい。
両面テープやガムテープなどはあくまで位置のチェック程度と考えてください。
※「茅蜩・鼓粒」の取り付けは機器の改造となります。取り付けは、ご自分の責任で行ってください。
Ge3では茅蜩・鼓粒を取り付けた直後は装置のトレーニングが必要だと考えています。
付けた直後のSPやクルマは自分自身の変化にまだ気が付いていません。
おかしなモノが付けられたのでしばらくは暴れます。その結果、低音が少なくなったり高域が暴れたりしますが、これらはトレーニングが進むと落ち着いてきます。この期間は慣らしと考えて待って下さい。
茅蜩・鼓粒を取り付けて音が変だと思っても最低4日は待って下さい。
毎日目まぐるしいほど音が変わりますが大抵のSPは4日ほどで安定します。
ちなみに、これまで私が体験した最高に頑固だったSPはタンノイのアーデンで安定するまでに5週間掛かりました。^^;
※茅蜩・鼓粒の取り付けは機器の改造となります。取り付けはご自分の責任で行ってください。
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